ロバート・A・アイガー(英語: Robert Allen Iger、1951年2月10日 - )はアメリカ合衆国の実業家。ウォルト・ディズニー・カンパニーの最高経営責任者である。愛称はボブ・アイガーBob Iger)。

2020年2月25日より2021年12月末までの期限付きで取締役会長に就任した。

経営者としての他にリベラルな政治活動家としての側面もあり、地球温暖化やLGBTQ問題に強い関心がある。

概要

ニューヨーク市のユダヤ系の家庭に生まれる。 1973年イサカ大学卒業。 1974年アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー入社。

ウォルト・ディズニー・カンパニー社就任後、アイガーは2006年にピクサー・アニメーション・スタジオを買収 し、2009年にはマーベル・コミック を、2012年にはルーカス・フィルムを買収、2018年には20世紀スタジオ(21世紀フォックス)を買収 し、ウォルト・ディズニー・カンパニーの子会社(傘下)とした。

ルーカスフィルム買収後、ジョージ・ルーカスからスター・ウォーズの続編を提案されたが、契約内容から「ルーカスのプロットに忠実である義務がない」としてルーカスの脚本案を却下。ルーカスがスター・ウォーズの制作から離れる原因を作った。その後『エピソード7/フォースの覚醒』(2015年)、『エピソード8/最後のジェダイ』(2017年)、『エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019年)の続三部作が製作されたが、その作業期間の短さや評価から「市場に出すものが少々多すぎた、(ペースが)速すぎたのかもしれない」と語った。

2005年10月よりマイケル・アイズナーの後任としてウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOであったが、2020年2月25日に退任しExecutive Chairman(取締役会長)に就任した。

2011年11月より2019年9月10日まではAppleの取締役も兼任していた。

2016年に大統領選挙でヒラリー・クリントンの共同選対委員長を務め、民主党員として共和党のドナルド・トランプ大統領候補と対峙した。

2017年に第1次トランプ政権のもとで、イーロン・マスクとともに大統領戦略政策フォーラムのメンバーに就任するも、トランプがパリ協定離脱を表明したため、6月に辞任した。

2022年11月、ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOに再任。契約終了の2026年末には退任すると述べている。

政治的立場

2022年、フロリダ州知事のロン・デサンティスが「ゲイと言うな(Don't say gay)」法案を支持した際、アイガーは「この法案が可決されれば弱い立場にあるLGBTQの若者が危険にさらされることになる」と主張、法案が可決するとウォルト・ディズニー社は反対声明を発表した。また企業内で性的マイノリティーへの配慮を推進し、後任のボブ・チャペックがCEOに就任して以降も『バズ・ライトイヤー』(2022年・ピクサー)、『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』(2022年・ディズニー)、『マイ・エレメント』(2023年・ピクサー)などの作品でゲイやノンバイナリーのキャラクターが登場、一部ファンや国々で強い反発が起きた。 このような政策にマスクは否定的な表明をしており、ディズニーがXに対し広告停止をした際には「ウォルト・ディズニー氏は自分の会社がボブから受けた仕打ちを見て、墓の中でのたうち回っているだろう」と皮肉を発言し、アイガーに対して「即刻解雇されるべきだ」と痛烈に批判した。

テレビ出演

  • 日経スペシャル カンブリア宮殿 夢と魔法の王国のつくり方 知られざるディズニーの神髄(2013年11月21日、テレビ東京)

著書

  • 『ディズニーCEOが実践する10の原則』(著者:ロバート・アイガー、訳者:関美和)(2020年4月4日、早川書房)ISBN 9784152099334
    • 『ディズニーCEOが大切にしている10のこと』(著者:ロバート・アイガー、訳者:関美和)(2023年4月11日、早川書房 ハヤカワ文庫)ISBN 9784150506001

脚注


ボブ・アイガー、ディズニーCEOを即時退任|シネマトゥデイ

Robert Allen IGER Inception

ボブ・アイガーがボブ・チャペックの後任としてディズニーのCEOに就任 JP NewsS

Bob Iger Says He Has 'Deep Respect' for Creatives Amid Dual Strike

米ディズニーCEOボブ・アイガー氏が退任「今こそ最高のタイミング」 Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)