ファンタジア2000』(原題: Fantasia 2000)は、2000年(初公開は1999年12月17日)にディズニーが公開したアニメーション映画。

概要

1940年に製作された『ファンタジア』の続編。ウォルト・ディズニーの甥ロイ・エドワード・ディズニー製作総指揮、ジェームズ・レヴァイン指揮、シカゴ交響楽団演奏による。また、前作にはなかったピアノが新たに加わった。

通常映画の10倍のサイズのフィルムを使用するIMAXシアター向けに製作されたアニメーション作品であり、例えばベートーヴェンの交響曲第5番での画面を埋め尽くす黒三角の迫力など、IMAXの巨大スクリーンを存分に生かしたアニメーションが展開する。しかしそれがゆえDVDでその真価を知る事は難しい作品である。一部を除き、台詞は一切用いられていない。

アニメーションとしては冗長すぎるという前作への批判をうけてか、上映時間は75分と短くまとめられ、また各曲には明確なストーリーが加味されているので、子供にも理解しやすい間口の広い作品となっている(それは同時に旧『ファンタジア』のファンを多少ならず失望させることにもなった)。

日本では2000年1月1日より、全国4館のIMAXシアターで独占公開され、IMAX映画としては驚異的な興行記録を樹立した。

構成

  • 1.交響曲第5番(ベートーヴェン)(2:54)
    • 『ファンタジア2000』の最初を飾る一曲。蝶のような形をした、ペア三角形の物体が善と悪の戦いを繰り広げる。
  • 2. 交響詩「ローマの松」(レスピーギ)(10:14)
    • 「松」とは全く関係のない、海と空を舞うクジラの群れを描いた極地の情景である。
  • 3.ラプソディ・イン・ブルー(ガーシュイン)(12:34)
    • ニューヨークのとある一日を描いた物語である。あわただしい人々はそれぞれ憂鬱をかかえているが、最後にささやかな幸福を掴む。この中にロイ・ディズニーも隠れている。
  • 4. ピアノ協奏曲第2番~アレグロ(ショスタコーヴィチ)(7:26)
    • アンデルセンの童話「すずの兵隊」のアニメーションである。原作と比べ、違っている場所がいくつかある。(原作では兵隊が窓から落ちた理由は隙間風が吹いたからだが、こちらでは悪役のビックリ箱に積み木を投げつけられたからで、また原作との最大の違いは、ハッピーエンドで終わるところである。)
  • 5. 動物の謝肉祭より「終曲」(サン=サーンス)(1:57)
    • 「フラミンゴにヨーヨーを与えたらどうなるか?」という少し皮肉っぽいアニメーションである。
  • 6. 魔法使いの弟子(デュカス)(9:17)
    • 『ファンタジア』の一篇をデジタルリマスター版で復活。
  • 7.威風堂々第4番・第2番・第3番・第1番(エルガー)(6:22)
    • 旧約聖書の中のノアの方舟をもとにした物語。ドナルドダックが主役。預言者ノアに動物達を方舟に導くよう命じられたドナルドだが、愛するデイジーダックが船に乗り遅れたと思い込み…
  • 8.火の鳥(ストラヴィンスキー)(9:13)
    • 自然の誕生、滅び、復活を描いた壮大な作品。火の鳥はここでは悪役として登場。

キャスト

スタッフ

  • 製作総指揮:ロイ・エドワード・ディズニー
  • 製作:ドナルド・W・アーンスト
  • 監督:ドン・ハーン
  • アニメーション監督:ヘンデル・ブトイ
  • 演奏:シカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団(魔法使いの弟子のみ)
  • 指揮:ジェームズ・レヴァイン、レオポルド・ストコフスキー(魔法使いの弟子のみ)

編集箇所

旧作『ファンタジア』と同じく、楽曲に編集が加えられた箇所が多数ある。いくつかを挙げておく。

交響曲第5番「運命」

  • 中間部を丸まるカット。よって長さも3分台になっている。

交響詩「ローマの松」

  • 第2部「カタコンブ」のカット。
    • 第1部でのシンバルの位置変更、追加。
    • 第1部終了後の数小節の追加。
    • 第3部と第4部のアタッカ部分の変更。

ラプソディ・イン・ブルー

  • 数箇所のカット、短縮。
  • シンバルの追加。

ピアノ協奏曲第2番~アレグロ

  • シンバルの追加(ネズミが飛び込むシーン)
  • 休符の延長(魚に飲まれるシーン)
    • 8曲中、最も編集が少ない。

組曲「動物の謝肉祭」より「フィナーレ」

  • オーケストレーションの拡大。

交響的スケルツォ「魔法使いの弟子」

  • 『ファンタジア』参照。

行進曲「威風堂々」

  • 曲の並べ替え。
    • 第4番中間部→第2番第2主題→第1番第1主題→第1番中間部→第3番第2主題→第3番中間部→第1番第2主題→第1番終結部
  • 冒頭のホルンの追加。
  • 第4番のチューブラー・ベルの追加。
  • 第2番から第1番への移行部分の打楽器の追加。
  • 第1番中間部の伴奏にシロフォン追加。
  • 同じく、ピッコロとシロフォンによる鳥の声の模倣。
  • 第3番でのピッコロ、フルートのトリルの追加。
  • 第1番終結部での合唱追加。
  • その他、シンバル・バスドラムの追加変更。

組曲「火の鳥」

  • 曲の抜粋
    • 王女達のロンド→カスチェイの魔の踊り→子守唄→終曲
  • 各曲の編集、短縮。

脚注

外部リンク

  • ファンタジア/2000|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式(日本語)
  • ファンタジア/2000 | Disney (日本語)
  • ファンタジア2000 - allcinema
  • ファンタジア2000 - KINENOTE
  • Fantasia 2000 - オールムービー(英語)
  • Fantasia 2000 - IMDb(英語)

商品ラインナップ|ファンタジア/2000|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式

'Fantasia 2000,' and Why It Should Be Considered Part of the Disney

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Images of ファンタジア2000 JapaneseClass.jp